TeX Alchemist Online

TeX を使って化学のお仕事をしています。

“TeXでつくる”小ネタ集

この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2017 の19日目の記事です。 18日目はmunepiさんでした。 20日目はdomperorさんです。

今年の TeX & LaTeX Advent Calendar の重点テーマは「TeXでつくるアレ」ということで,TeXで何かすごいものでも作ろうかと思ったのですが,面白い特大ネタが今ひとつ思いつきませんでした。そこで,小ネタを2つ提供して,「合わせ技一本」狙いでゆこうと思います。

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ネタ第1弾:行分割可能な \fbox をつくる

doratex.hatenablog.jp

ネタ第2弾:…… ✂ キリトリセン ✂ …… をつくる

doratex.hatenablog.jp

美文書第7版の TeX 環境で dvips + ps2pdf を使うには

およそ3年ごとに改訂が続けられている『LaTeX2e 美文書作成入門』は,今年1月にとうとう改訂第7版が出版されました。

[改訂第7版]LaTeX2ε美文書作成入門

[改訂第7版]LaTeX2ε美文書作成入門

第6版に引き続き,第7版でもMac用セットアップツール開発に携わらせていただきました。本記事はそのサポート情報を提供します。(美文書ユーザのみならず,2017年3月9日以前に MacTeX 2016 のインストール/ヒラギノ設定をしたユーザにも同じ問題が発生します。)

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ゴシックのローマ数字にヒゲを付ける

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この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2016 の8日目の記事です。 2日目6日目に続く今年3回目のエントリーとなります(スミマセン)。 7日目はaminophenさんでした。 9日目はyuracoさんです。

ローマ数字 Ⅲ はアイアイアイか組文字か

昨年の TeX & LaTeX Advent Calendar 2015 の3日目の記事「今さら人に聞けないローマ数字とその組み方」や『LaTeX2e 美文書作成入門』などで繰り返し言及されているように,LaTeX でローマ数字を組む場合,半角アルファベットを単に並べて,I(アイ),II(アイアイ),III(アイアイアイ),IV(アイブイ),…… のように書くのが正しい組み方です。「Ⅲ」のような全角(組文字)のローマ数字は用いるべきでないとされています。

しかし,本田さんが TeX Q&A 237649355 で述べておられるように,実際の現場では,「組文字のローマ数字(時計文字)でなければ受け入れてもらえない」場面が多々あります。(また,特に縦書きのときには,全角ローマ数字が馴染みます。)

新聞社におけるローマ数字の取り扱いについては,次の朝日新聞の記事が参考になります。

www.asahi.com

どうしても LaTeX で組文字ローマ数字を使いたいなら

従来の pLaTeX では,JIS X 0208 までしか扱えず,組文字ローマ字は「機種依存文字」(環境依存文字)という扱いでしたので,「組文字のローマ数字を出力する」というのは多少厄介な課題でした(otfパッケージを使えば可能)。

それに対し,今時の upLaTeX の場合,Unicode に含まれる Ⅲ (U+2162 ROMAN NUMERAL THREE) のような全角ローマ数字をソース中にそのまま入力すれば,普通に出力できます。ですから,「正しい組み方はどうであるか」という問題はさておき,もし「どうしても組文字のローマ数字を出力したい」というのであれば,それに技術的困難はなくなりました。

ゴシック体のローマ数字にヒゲは付くべきか?

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(u)pTeX における和文多書体の実現 〜Sierraの全和文フォント出力を例として〜

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この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2016 の6日目の記事です。 2日目に続く今年2回目のエントリーとなります。 5日目はaminophenさんでした。 7日目もaminophenさんです。

前記事では,TeX Live 2016 の LuaTeX-ja を使って,Sierra の全和文フォントを同時出力する例を示しました

doratex.hatenablog.jp

また,前記事の最後には,「専用の tfm/vf を用意すれば (u)pTeX + dvipdfmx のワークフローでも Sierra の全和文フォントを同時出力できる」と述べました

本記事では,専用の tfm/vf を用意して (u)pTeX で和文多書体を実現するための具体的な手順を説明します。 この手順は,Macユーザでなくても,(u)pTeX で和文多書体を実現したいと考える人に参考になるでしょう。

さらに本記事の後半では,この方法を応用し,和文フォントを簡単に追加するためのパッケージ,そして Sierra の全和文フォントを一斉使用するためのパッケージを作成してゆきます。本記事で作成したパッケージを利用すれば,ライトユーザでも比較的手軽に (u)pTeX での和文多書体環境を実現することができるようになるはずです。

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Sierra 時代の TeX Live 環境

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この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2016 の2日目の記事です。 1日目はzr_tex8rさんでした。 3日目はhak7a3さんです。

本記事では,9月にリリースされた macOS Sierra (10.12) について,El Capitan (10.11) からの変更点,および Sierra の和文フォントを TeX Live で最大限活用する方法について解説します。

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