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鉄緑会東大物理問題集 今月発売!

今月,既刊の 鉄緑会東大問題集シリーズ に新たな科目が加わり,「鉄緑会 東大物理問題集」が刊行されます!

2016年度用 鉄緑会東大物理問題集 資料・問題篇/解答篇 2006‐2015

2016年度用 鉄緑会東大物理問題集 資料・問題篇/解答篇 2006‐2015

東大物理の過去問10年分を解説した書籍ですが,分析・解説を極めて詳細に記した結果,全600ページを超える大著となりました。

さて,本記事では,TeX組版的な側面から,この新刊の紹介をしようと思います。

まず,「東大化学問題集」のときと同様,Mac OS X + upLaTeX + dvipdfmx + jsarticle + ヒラギノ をベースとした組版環境で作成しています。

一方,既刊の東大問題集シリーズとの違いとしては,後発のメリットを活かして,デザインに TikZ を徹底活用したという点が挙げられます。例えば,次のページサンプルをご覧ください。

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単に文書に挿入する図版の作成に TikZ を利用したというだけではなく,見出しなどに見られる飾りや枠の作成にも TikZ が用いられています。例えば,上記ページ中の次のようなパーツ類は,全て TikZ で動的に作成されています。

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また,飾り枠の作成には,TikZ を用いた枠作成パッケージである tcolorbox パッケージ を活用しています。

tcolorbox パッケージでは,デフォルトでも様々な枠を出力できますが,何より強力なのは,少しの TikZ コードを書くだけで枠の出力を自在にカスタマイズできる点です。アイデア次第で,次のような飾り枠を自在に作ることができ,文書の表現力を飛躍的に高められます。

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思い返せば,2年前の TUG 2013 の休憩時間に tcolorbox パッケージの存在を知ったのでした。それ以来,書籍デザインに tcolorbox パッケージを大いに活用するようになりました。

さて,今年もそろそろ TeX の季節*1がやってきました。明日 11/7(土) には,いよいよ TeX ユーザの集い 2015 が開催されます。「集い」では,この新刊「東大物理問題集」の執筆陣の一員である佐藤淳俊氏が,「tcolorbox による装飾表現」と題して,本書のデザインに用いた tcolorbox 活用のノウハウについて紹介する講演を行います。また講演後には,佐藤氏が作成したこれらの枠を出力するためのパッケージが一般公開される予定です。乞うご期待!

*1:近年,TeXユーザの集いや TeX Advent Calendar が,毎年10~12月にかけて開催されています。